私が最初に知的障がい者施設の旅行に携わったのは、25年程前に養護学校の旅行を手配させていただいた時でした。当時は、私共に障がい者の方の知識も乏しく、職員の方も遠慮をされていたところもあり、通常の団体旅行の手配とあまり大差がありませんでした。今から思うと職員の皆様や利用者の皆様にご満足いただける旅行にはなっていなかった様に思います。
転機となったのは福祉作業所の旅行に添乗員として同行させていただいて、お風呂に入るお手伝いをさせていただいたり、宴会で楽しそうにカラオケを歌っている姿を拝見したり、牧場でウサギやヤギとふれあう姿やフラワーパークで花の美しさに感動する姿を見て、知的障がい者の皆様の純粋な気持ちに心をうたれたのがきっかけでした。
「もっと力になりたい」と強く感じ、旅行会社として出来る事はなにかを真剣に考える様になりました。その後、福祉作業所、知的障がい者施設、肢体不自由者施設等たくさんの皆様との交流を通じて、宿泊施設、食事方法や調理方法、浴場の設備、車イスを利用される方への配慮（バリアフリーの設備、浴場、トイレ、部屋、バス、見学先）等、職員の皆様のご希望やご意見をいただきながら、私共の側からもご提案をさせていただいております。
また、お子様がご旅行に行っているあいだ、保護者の方が安心して家でお待ちいただける様、安心と信頼を大切にしています。 旅行は貴重な体験の連続だと思います。ご帰宅後はお土産話でご家族が楽しい時間を過ごしていただけることを願っております。

私共が旅行会社としてお手伝いできる事は限られていますが、障がい者の皆様が思い出に残る旅をご提供出来る様、これからも努力していきたいと思います。

株式会社エムアンドエムトラベル
代表取締役　馬場正太